森田ゆりさんとの出会い4回目
お家に一緒に帰ろう(面接)

 小さいおねえちゃんとの、2度目の対面。
このときは、スヌーピーを連れて行った。
飛行場にいくまえから、ドキドキしていて不安だった。
夫もその様子がわかるようで、「無理しなくても良いんだよっ」て言ってくれていた。
緊張するのは、いつものことだがあんな不安は初めてだった。
このスヌちゃんを、忘れてきたらどうしよう・・・・どこかにおいてきてしまったら、迷子にしてしまったらどうしよう。

かばんの中に入れてしまうのは、簡単なことだった。でも私はそうしたくなかった。
できなかった。自分の膝の上に乗せておきたかったのだ。周りの目なんてどうでもいい。娘との旅行でも、こんなに不安になったことはない。
飛行場から夫に電話を掛けた。とっても不安だということ。
行きたくないわけではない、ただ不安なのだ。
夫はいった。「行くだけ行ってどうしてもだめだったら、観光でもしてくるといい。
森田さんも、いろんなクライエントさんをしってるんだから、心配しなくても大丈夫だよ。」そういった。

その言葉に背中を押されて飛行機に乗った。
飛行機に乗ったとたん、私は母になっていた。この子をちゃんと森田さんのところに連れて行かなくてはという、気持ちになっていた。さっきまでの不安はもしかしたら、おねえちゃんの気持ちだったのかな?ふと、そう思った。

 次の日、スヌーピーと共におねえちゃんとあう。
前回と同じように暗い階段を下りて、扉を開ける。今回は植物園のようなところだった。楽しかったころの小学生の時、通った学校の中にあったような・・・・・・そこでよくかくれんぼをしたっけ。
今回のおねえちゃんは、木の陰に隠れていた。まるで見つけて欲しいかのようにちらちら、顔を出す。しばらくそうやって遊んでいたように思う。
私は、「みんなが待っているから、一緒に帰ろう?」といった。
このときの記憶はあまりない。連れて帰りたい気持ちが強くて、ほかのことが記憶にないのだ。

 ゆったりとしたゆりさんの声が聞こえた。「かすみさんは、一緒に帰りたいって言ってるけどおねえちゃんはどうしたい?かすみさんからも聞いてみて?」
すると「怖い人いない?怒鳴ったりしない?」と聞く。「ときどき、大きな声でお話するおじさんはいるけど、そういう時は、まあちゃんが助けてくれるよ。」と答えた。「まあちゃんは、おねえちゃんが来るの待ってるよ。」と、言いながら手を伸ばした。
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