森田ゆりさんとの出会い6回目

おねえちゃんに居心地を聞く(面接)

 夫が、次回のカウンセリングの時に、「おねえちゃんに居心地はどうかって聞いてきて」という。それを前回の面接の時にゆりさんに伝えると、「じゃあきいてみようか?」と言った。ゆりさんは「だれがきくのがいちばんかなぁ・・・・」としばらく唸ってから、「やっぱりかすみさんが聞いたほうがいいかな。」といった。
いつもの呼吸から入り、「今どこに居ますか?」とゆりさんの声。

 原っぱが見える。草の上におねえちゃん、私、娘、夫の順に寝転がっている。
おねえちゃんがふざけて、私に向かって横に転がってくる。そして私もおねえちゃんと一緒に娘のほうへ転がる。娘はキャーキャーいいながら、団子みたいになった私たちの中に入りながら、夫のほうへゴロンゴロンと転がる。そんなことをしばらくしながら遊ぶ。そして本題に入る。ゆりさんが「かすみさんのおうちの居心地はどうかって聞きたいんだって・・・・かすみさん、おねえちゃんに聞いてくれる?」

 私は、半分緊張しながら、聞いた。
「お家に来て、どう?」う〜んと、笑いながら「ときどき怖いおじさんがいる。」と答えた。
ゆりさんが、「そんなときはどうしてるのか聞いてみて?」と言うので聞いてみた。
答えは、「まあちゃんの後ろに隠れるの。まあちゃんは助けてくれるから。」
ゆりさんが、「助けてくれる人がいてよかったね。今までは一人だったもんね。」夫は、「おねえちゃんに自分に何かしてもらいたいことがあったら教えて欲しい。」とも言っていたのでそのことも聞いてみた。
「あのね、肩車と抱っことおんぶ、まあちゃんみたいに・・・・・」そういった。
「あと、おおきな木のところでゴロゴロしたい。」
ああ、そうだ。私には小さい頃そういう家族の団欒はなかったっけ・・・・・
あたりまえのことだけれど、10歳の私そのものなんだ・・・・・そう気づいたのはずいぶん後になってからだった。おねえちゃんに会うためにトランス状態になるためには、結構神経を集中させる。

体力のない私は、ホテルに帰ると必ず寝てしまう。もちろんゆりさんはもっと、大変だろうと思うのだ。自分のことでいっぱいいっぱいなのでそれに気がついたのは、最近のことだ。

体力のない私は、ホテルに帰ると必ず寝てしまう。もちろんゆりさんはもっと、大変だろうと思うのだ。自分のことでいっぱいいっぱいなのでそれに気がついたのは、最近のことだ。
 

 2003年6月に森田ゆりさんが関わっている団体のイベントがあった。戦争のこと、人権のこと、子どもの虐待のこと、いろんなことに関係している人がいた。
 
 その中でとても勇気のある人にであった。男性のサバイバー(性虐待の被害者)で自助グループを作って頑張っているという報告だった。おもわず、声をかけて話をした。まるで、昔から知っているような感じで話ができた。私も、元気になったらこんなふうに頑張りたい。そんな勇気をくれた。
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